【コラム】国税敗訴の還付加算金のお話

● 香港に居住地を移して武富士株を贈与するスキームを争った武富士事件は、

最高裁判決で、国側逆転敗訴となり、加算税、延滞税を含め1,585億円納付

していたものに、役400億円の還付加算金が付いて、役2,000億円が還付され

ました。国庫が一時的に枯渇したと言われています



● 還付加算金は国税側からの利子に相当するもので、4%余の利率で計算される

ことになっており、納税者側の早期納付の場合の延滞税率と同じもので、納税者

にも、適正申告納付・適正課税執行を促すものとして制度化されているものです。



● 大企業が税務否認を受けると、延滞税が大きくなることを回避するため、速やか

な納税をしておくことが通例で、その結果、東京都銀行税事件、旺文社事件、ガイダント

事件など税額が巨額な国側敗訴の事例でそれぞれ巨額な還付加算金が発生しています。



● 次の巨額還付加算金発生が予測されるのは、武田薬品の移転価格を巡る係争です。

武田薬品のホームページでのニュースリリースによると、更正処分を受けた課税所得金額

は1,223億円、地方税を含めた追徴税額は571億円です。



● 武田薬品更正処分事件とは、武田薬品からアメリカの同社子会社への製品供給価格が

低すぎるとして、大坂国税局が2006年6月28日に更正処分をしたことに端を発する税務係争

事件です。武田薬品は、異議申し立てをするとともに、日米二重課税の解消を目的として、

国税庁に対し、米国との相互協議申し立てもしていました。



● 2011年11月4日の武田薬品のニュースリリースで、国税庁より、米国との相互協議が合意に

至らず終了した旨の通知がこの日にあった、と報じられました。



● 相互協議決裂の結果、いったん中断していた国税局への異議申し立て手続きが再開された

ところ、このほど4月6日、国税局より、原処分により更正された所得1,223億円のうち977億円を

取り消す異議決定が出されました。納付から、すでに5年半も経過していますので、武富士事件

の3分の1程度の規模ながら、100億円以上の還付加算金の発生となる可能性は大きいといえます。